戸栗:まず簡単に自己紹介の方をお願いいたします。
中村:shouin事業本部の中村と言います。LEAPTさんに支援依頼し始めた当時は、マーケティング部長と営業部長を兼任したような形でして、現在は事業部長となっており、マーケティングと営業に加えて、カスタマーサクセスやサービス開発を主導するプロダクトチームを追加した状態です。
戸栗:弊社と最初の接触があったのが、2020年の6月で、結果的に伴走支援開始の2021年の2月ぐらいからスタートまで8カ月ぐらいマーケティングをしていきたい、みたいなお問い合わせとご相談を頂いておりました。そのときに、どういった背景で弊社にお問い合わせをいただいたのかっていうところと、どういった理由でっていうところと。どうやって弊社のことを知ったのかみたいなところを、簡単にお話伺えますでしょうか。
中村:だいぶ前なんで、うろ覚えのところがありますが(笑)。その当時、SaaS事業を立ち上げて、マーケティングを自分が浅く広くやってたんですけど。今後根付かせるためには、誰か1人専任をアサインしたいなっていうのがありました。ただ、その人間を育て上げることって、ちょっと自分ではできないなということがありまして。
戸栗さんがTwitterで、マーケティング周りの深い話をずっとされてたんですけど、めちゃくちゃこの人知識深いなと思ったのと、あと、ALL STAR SAAS FUND(以下、オールスター。戸栗がアドバイザーとして参画しているSaaSに特化したベンチャーキャピタル)でもお話を聞いたりしていました。
オールスターがSaaSを知ったきっかけで、マネージングパートナーの前田さんの記事などを読ませて頂いていたのです。そこに戸栗さんの名前もあったのでさらに信用度が増して、お問い合わせをさせて頂きました。
あわせて、他のマーケティング支援企業さんも見てたんですけど、伴走支援っていう形があまりなくて。一般的な支援会社さんは、リスティング、運用手伝いますよとか、Facebook広告手伝いますよという感じで、マーケティング担当を育てるっていう概念があまりありませんでした。
戸栗:そうですね。例えば、広告だったりとか、あとは、MAの運用支援とかはあると思うんですけども...…。あったとしても、ほとんどがその局所的な箇所、MAの運用の伴走支援、広告の運用の伴走支援みたいな感じで、サイロ化された業務の一つしかカバーしてないっていうケースがすごく多いです。
そういった意味でいうと、弊社を選んだ理由っていうのは、幅広で、基本的にはなんでもいけそうだみたいな、そんなところがあったから選ばれたみたいな感じですか。
中村:幅広というよりかは、マーケティングって本質を理解してる人が教えたほうが絶対にいいなと思っていて。広くっていうと、ちょっと語弊があるかなと思うんですけど、本当にマーケティング職人を育てたかった、というのが戸栗さんに問い合わせしたきっかけです。
そもそも、マーケティングって何ぞやって話したら、そこら辺の土台がないと、理解度が増さないですし、自分もインターネットの代理店にずっといたので、そのあたりを浅く広くになっちゃうのはよくないなと思ったのが理由ですかね。
戸栗:ありがとうございます。実際にお問合せのあとも何回か中村さんのご相談を伺っている際に、担当者を育てながら数字を上げていく伴走支援をされたい、と。その中で、どういうふうに、私とやりとりをする担当の方を選んでいったのでしょうか。
多くの企業さんもアサインする人をどうすれば良いのかな、と悩んでいらっしゃることが多いです。中村さんのご経験をぜひ共有いただきたいのですが、当時どういった選択肢があって、どういうふうに選んでいったかを少し伺ってもよろしいでしょうか。
中村:戸栗さんからどういう人がいいかっていうのを事前に聞いてたので、それと照らし合わせて、その中で最善な人は誰かっていうのを考えていました。まずは、「社会人経験がない人間は厳しそうだ」っていう話もあったので、戸栗さん覚えてるか分からないんですけど、図解をしていただいたんですよね。
(マーケティング人材の出現度合いとスキルの図)
戸栗:これでしょうか?展示会運用やセミナーを担当するマーケターは総数が多くて...…、こちらの領域は...…みたいな。
中村:そう、これです。これをいただきながら、特定というところで、どういう人がいいかっていうのを話して。後ほど話が出てきた担当者となる松木は、そういったディレクションだけではなく、ツールの設定運用とかもできますし、マーケティングの基礎概念的なことも分かっていたので、そういったところで選んだ感じです。
戸栗:松木さんをアサインする前に、新卒の方とかを採用するみたいな感じで、少し動いていらっしゃいました。実際に、候補者の名前などは伏せた上で職務経歴を一緒に見ながら考えさせて頂いたこともありました。
それが、そっちの選択肢をやめて、松木さんに動いた理由、社内異動の方向に動いた理由、外部から採らないって決めた理由っていうのは、どういったところがありましたか。
中村:そこは、提供している自社サービスであるshouin+に関する知識度が、解像度が全然変わってきちゃうので、学習コストがかかっちゃうかなっていうとこが一つあったかなと思っているのと、本人も「ちょっとマーケティングやってみたいです」って話もあったので、その辺をインタビューさせてもらって、アサインしたっていうのもあったかなと思っています。
戸栗:他企業さんでも、異動させてくるケースっていうのは実は多くあります。ただ、異動させるケースでも、いい意味での異動じゃないケースが大半な気がしています。
それは、例えば、特定の領域とかであんまりワークしてないから、マーケティング側に流すとか、どうしても人が必要だから、あの人だったら放出していいよみたいなニュアンスがありながら...…。そういうアサインされるっていうケースがあると思うんですけども。
私の感覚からすると、松木さんは全くそういう感じではなかったと理解しています。むしろ、他の部署で活躍していたと理解してます。
中村:そうですね。
戸栗:その方を他部署から異動させるのは、結構難易度が高いことかな、とは感じます。そこを異動させるために、社内でどういう手はずを踏んで、どういう説得の仕方をしたとか、ポイントみたいなものを伺えますでしょうか。
中村:松木は元々プロダクト部にいて、ディレクター、PMとして活躍しており、立ち上げ当初だったので人もいないですし、異動に対して、じゃあいいですよ、とはなりませんでした。
そのため、可能な限りロジカルに説明を進めました。当時、shouin+を立ち上げるにあたって刈り取り、焼畑的な方法がほとんどで..…。
広告から強引に獲得だけではなく、質のいい見込み客を顧客化してLTVを高めながらよりshouin+を使ってくれる、5年も10年も使ってくれる人たちに対してアプローチしていかなければならないとなったときに、マーケティングに対する重要度って全然変わっていきます、と。
それが1年後、まだ分からないかもしれないですけど、2年後、3年後っていうところで、だいぶそれが、今回やるコンテンツマーケティングもそうなんですけど、漠然とではなく具体的な絵を描く。
戸栗さんに教えて頂いたので、10万PVだと、このぐらいのお客様を連れてきて、なおかつお客様が関心度が高い人たちを連れてくるってことは、受注効率も上がって、結果売上げも上がるっていうロジックをシンプルに関係者に伝えたのが説得材料として一番よかったですね。説得する相手は、社長とプロダクト部の部長という形でしたね。
戸栗:ありがとうございます。御社のビジネスは開発が柱ですよね。そういう意味でいうと、開発のほうにいた松木さんを引き抜くっていうのは、要はスターになってる部のほうから、優秀な人を引っ張るっていうことだと思うので、結構大変だなってイメージはあったんですけども。
その説明のポイントとしては、中長期的に伸ばす必要があるから、投資にはなるんだけども、重要だよねっていうところを、ロジカルに説明してったみたいなイメージですね。
中村:そうですね。もちろん、スパっとすぐに、マーケティング1本だよっていうこともちょっと難しかったので、徐々にパーセンテージをずらして、マーケティングのほうに異動させてくような形の異動方法で合意を取り付けました。
戸栗:ありがとうございます。
あと、弊社との伴走支援が始まる前のタイミングより前に、松木さんが、マーケティング系の業務をやり始めていたと伺っています。
確かFacebook広告か何かを触り始めていたということを記憶しているのですが、その時の運用は松木さんがマーケティング業務に慣れるということで、最も手がつけやすいところの一つである広告運用をしていたのかな、と。実際に運用はどのような感じだったのでしょうか。
中村:運用はしていたのですが、Facebook広告も運用が結構難しく。
うまく回ってないとなぁ、という話になり基本に立ち戻り、そもそもお客様への訴求って何だっけ?という話のときに、ペルソナやカスタマージャーニーをちゃんと組み立ててないよね、と基本に戻らなくてはいけないタイミングでした。そのような状況で、戸栗さんに入ってもらったという流れでした。
戸栗:当時のマーケティングの施策っていうのは、ウェブサイトはとりあえずできました。資料請求の資料はダウンロード可能です。広告は回ってます。更新されていないけどもオウンドメディアがあります。それ以外は特に、HubSpotは導入されていたものの、メールマーケティングというよりかはメールをランダムに送る、みたいな感じだったと思います。
伴走支援開始前、それらの施策をおこなっていたときにペルソナとかカスタマージャーニーはどのようなものだったのでしょうか。
中村:HubSpotを導入したので、HubSpotの導入支援担当の方にオンボーディングしてもらった際に作成した、ペルソナとカスタマージャーニーをそのまま使っていました。ペルソナの活用で難しいのは、みんな意識を継続的に統一させるところだな、と思っており、社内的への浸透はさらに難しかったなっていうのは覚えてますね。
戸栗:浸透させるために何か具体的に、こういうことやってたみたいなことってありますか。
中村:そんなにないです。いや、1回作ったら、そのままになってましたね(苦笑)。
戸栗:他企業さんで、ペルソナ、カスタマージャーニーをうまく浸透させたところの取り組みは、インサイドや営業の人たちも集めて勉強会をマーケティング部と合同でしていました。そのような場を作ると、同じ共通認識、あと、同じ言語で会話できるようになりやすい様子でした。そのようなことはできていなかったということなのですね。
中村:そうですね。そういうの共有勉強会を1回おこなったのですが、自分もすぐ違うところに目が移っちゃったので(苦笑)。では、次の改善箇所は営業だ、みたいな感じで。自分の中では完結したのですが、メンバーはそれに追いついてない、というような..…。それがよくなかったなとは思っていますね。
(HubSpot社と作ったペルソナ)
(HubSpot社と作ったカスタマージャーニー)
戸栗:そのペルソナとカスタマージャーニーはHubSpot社と一緒に作ったものかな、と思うのですが、そのペルソナとカスタマージャーニーは弊社と後々サービスの一環としてやった、データの定義のようなコアな部分がなかったのではないかな、と思っています。その時点では存在していなかったっていう理解であっていますか。
中村:なかったですね。それがあったら、もうちょっと違ったかもしれないですね。取りあえず作ってみたって感じで、それがどういうふうにコンテンツやツールと連携されて、どういうふうな展開になっていくのか。そういったイメージが湧いたのは、戸栗さんと動き始めてからです。
戸栗:これは、根深い問題かな、と感じます。コンサル業などの教える業務をしてる人たちのウィークポイントというか。
教える側の方たちは、実は手を動かしてマーケティングをした経験がない人たち、つまり、インハウスのマーケティング経験がない人たちが多いんですよね。つまり、絵に描いたものをどうやって落とし込むのかなどの進め方を実は知らなくて。
当然、どこまで絵を描くべきかも知らない、という言い方もできるので、絵に描いたけど餅でもないし、絵に描いた餅っぽいもの、で終わってしまうことがほとんどだな、と感じます。多分、それが起きたんだろうなみたいな感じのイメージです。
中村:そうですね。何となく作ったけど、それが合ってるかどうかの確認もなかったですし。本当にもったいないことをしたな、と思ってます。
戸栗:それらを伴走支援がスタートして再度作り直しました。マーケティングの効率だったりとか、社内に対する説明だったりとか、あとは、現場の人の納得感みたいなものっていうのは、結構変わったんじゃないかなとは思うんですけども。
そういう意味でいうと、ちゃんと作ったことによる、社内の変化みたいなものっていうのは何かありましたか。中村さんは特に、例えば、社長に対して直接レポートをする立場にいらっしゃるとは思うんですけども。
中村:そうですね。そこはありました。そこからは、松木がそういうのを社内で共有してくれていました。いわゆるデータの持ち方、サブスクライバーだったりリードだったりの定義も説明してくれていました。
インサイドセールスも言語化っていうか、意思統一できてましたし、今どのぐらいの数になってるので、次、ここにテコ入れしなきゃいけないよねっていうのは、同じ目線になったかなというのは感じていましたね。
戸栗:それらを松木さんがきちんとされていたのはすごいですね。
(作り直したペルソナ)
(新しく作ったペルソナのストーリー)
(作り直したカスタマージャーニー)
中村:そうですね。ことあるごとに話してましたね。作り直したペルソナやカスタマージャーニー、データの定義が会話の基礎の部分にあれば、自分もそれを使って社内説明ができますし。社長へのレポートもしやすくなっていました。
戸栗:ありがとうございます。実際に伴走支援がスタートし、最初の数回、中村さんも参加していただきペルソナやカスタマージャーニーを詰めていきました。その後、実務レベルの話が増えていくにつれて、中村さんは参加率が減っていき徐々に報告するみたいな形になりました。
実際に伴走支援では、私が松木さんと一対一でやりとりをしていて、そのやりとりをした内容を私が中村さんに対して上げていく。松木さんが上げることもある、みたいな感じでした。
伴走支援では、私と松木さんが、長時間お互いを拘束しながら進める中で、中村さんはその外にいるみたいな形です。弊社側からの動画報告を都度させて頂いていましが、その進め方にはどのように感じましたか。
普通の方、一般的な企業の上司の方だと、打ち合わせに最初は出たいと思うし、そういう拘束時間の長いうちの一部は出たいみたいな感じだったと思うんですけども。
基本的には、中村さんはそこに関してタッチされてないスタンスでした。そこはどういうふうにお考えの上で、そういうふうなスタイルを取られたのでしょうか。
中村:最初は、戸栗さんにもしかしたら交渉したかもしれないですね。最初出てもいいですかみたいな話。
戸栗:そうですね。
中村:なのですが、戸栗さんから来る動画レポートが、何やったかっていうのと、どういうのを今後やっていくかと、現状の今のステータスっていうのを簡潔に報告してもらえるので、これは別に同席しなくても大丈夫だな、とすぐに感じ始めました。ですので、お任せできた、と思っています。
戸栗:あとは、最初はそもそも数字が伸びることはなく、行動指標でこういうやりましたみたいな感じになるということを合意させていただけたのも大きかったのかな、と私は感じています。そこは結構念押しさせていただいた上でスタートして。
行動指標が目標のレベルまで到達したので、次は何カ月後から数字が上げるフェーズに入ります、というところを合意させていただいたっていうのが、すごくよかったのかなっていうふうに思っています。ここを合意できない企業さんってのも多くいらっしゃって。
中村:そうですよね。
戸栗:行動指標じゃなくて、数字はどれぐらい上がるんですか。今から始めてこれぐらい、いつまでに上がるんですか。みたいな企業さんが大半だと思うんですけども。
中村さんたちは、そうじゃなくて、最初から行動指標っていうようなものがあって、最終的に数字が上がってって。そしたら、数字のほうが指標にできるよね、みたいなところを納得していただけたポイントはどういったところだったのでしょうか。
その納得できない人たちに対して、中村さんが仮に説得するのであれば、どういうふうに、どういう視点で、説得されますか?
中村:KPIって間違って設定すると、本当にとんでもないとこ行っちゃうなって思っていて。マーケティングとKPIって結構難しいなと。
戸栗:そうですね。
中村:今までの経験で、急に成果を出すことのできるKPIって、広告とかFacebookくらいかな、というのはわかっていました。確かにリードは取れますが、どれだけ商談化したか、受注化したのか、といわれると少し違っているかな、と。
最初にすべきことにはいくつか段階があるというのは、戸栗さんから説明も受けてたので、まずは行動として、週何件、オウンドメディアでコンテンツを安定的に出せるところまでいきましょう、みたいな。
そこから入っていき、そこが守られて初めて、数字に表れてくる。そのようなステップがあると思うので、そういった意味で最初から数字を求めるKPIって、マーケティングでは、ちょっと難しいんじゃないかなというふうに思っていました。
(Marketing Maturity Model)
戸栗:そうですね。ありがとうございます。これ、中村さんたちとスタートした後に、自分が作った資料なのですが、導入事例に入れようかなと思っている資料があります。少し時系列が逆転してしまうのですが...…。基本的には、多くの企業さんが、このマーケティングの成熟モデル、レベル0、1、2、3、4、5のなかで、レベル0や1がほとんどかな、と思っています。おそらく身に覚えがあると思うのですが(苦笑)
みなさんレベルがこれから、という状態なのにもかかわらず、「デマジェンをばりばりやるぜ」みたいなレベルのKPIのを作っている場合がほとんど。
要はこのレベル5みたいなのが、マラソンで2時間何分で走れる人なのであれば、このレベル2でもマラソンで3時間切るみたいな、超人みたいな人たちだと思います。一方で、ほとんどの企業の方たちはマラソンしたことないのに、3時間切るぜみたいな目標の立て方を結構しちゃうというか。
それって...….無理というか、骨折するし、肉離れするし、アキレス腱は切れるしみたいな、メタメタな状態になってしまう……。そう思っていて。
中村さんは、そういったことをきちんと理解してくださっていたというか、最初は活動量をまず増やして、そのベースとなる体力や習慣をつくっていかないといけない、そうしないと数字は出ないよねってとこは理解されていた、というのが大きかったと感じています。
中村:はい。もちろん、いつ出てくるのかなっていうのは、ずっと思ってましたけど(笑)。一方で、そうは思いつつも、その度に戸栗さんから、いや、今こういう段階でこういうことをしています、と聞くとふと我に返ることができてました、それを何回も繰り返していたことを覚えてます。
戸栗:そのようなことを中村さんがご自身の上司である御社の社長さんに説明するとき、どういうポイントを説明してましたか。私が言ってることと同じようなことを説明されていたのか。それとも、社長さんが理解しやすい視点で説明していたのかとか。
中村:自分の上司である社長に対しては、KPIの持ち方っていうのを変更する話はしていました。また、社長も「増やせ」とはいうものの、急に商談が増えるってことはないというのは理解していました。
また、コンテンツマーケティングを通じて質のいい見込み客の獲得をする仕組みを作るには時間がかかる、ということは、社長も理解がありました。そういったところの承認を得るのは、そこまで難しくなかったかなとは思いますね。
戸栗:その行き着く先というか、ちゃんとそこにたどり着くまでのステップを踏んでるよ、というところはきちんと説明ができたので、合点というか合意を取り付けていたした、そういう感じですかね。
中村:そうですね。コンテンツ経由だと、ちゃんと理解して興味ある見込み客を惹きつけることができて、案件化率とか熱量が全然違うっていうのはわかっていましたので。どういった案件がどこからきた、やっぱりコンテンツからきた見込み客の方たちは、確度が高いです、という話はずっとしていましたので。
戸栗:あと一つ伺いたいのが、弊社とお話をさせていただいてたタイミングで、既にHubSpotが導入されていました。
もちろん、私がHubSpot社にいて、HubSpotの中でマーケティングをやっていてっていうのがあったとは思うんですけども、それとは特に関係なく、普通にマーケティングの視点で、伴走支援を受けたい、プラスアルファで元HubSpotの人だったから、そういう感じのニュアンスで発注いただいた感じですか?
他のお客様ではHubSpotを導入していない企業もいらっしゃいますし、導入している企業さんもいらっしゃったり、移行のお手伝いをさせていただくお客様もいるため、興味本位の質問ですが(笑)
中村:両方の視点で考えてましたね。HubSpotをいれるのであれば、ちゃんと伴走支援させなきゃいけないので、戸栗さんが適任、というのはぼんやりとイメージしていました。そのため、最初お問い合わせさせて頂いてから伴走支援スタートまでの8カ月かな。社内をきちんと固めてから動いてた、という感じですかね。
戸栗:ありがとうございます。私はツールはなんでも良い派なのですが、御社がしていくべきことを考えると、HubSpotはすごく合致している機能しかないと思います。機能をちゃんと理解した上でちゃんと使えば、インバウンドだったりとかコンテンツマーケティングみたいものが非常にスムーズにできるかなと思っていて。
これを仮になんですけども、HubSpotじゃなくて、WordPressで全部作ります。マーケティングオートメーションツールを使います。Google Analyticsを使います。サーチコンソールを使います。となると、現場の担当者って「わあっ……」となってしまいます。
また、事業部長の目線で考えたときに、この一つのツールで全てが収まっていると、採用するときにもしやすいんですよね、配置する人の数も最小限に抑えられますし。
このオールインワンでやることのメリットみたいなところを、事業責任者の中村さんの目線でいいので、教えてもらえますか。
中村:もちろんそこは考えましたね。そのCRM、HubSpotで、SFAは他社ので、という考え方もあったんですけど...…。戸栗さんのおっしゃる通りで、学習コストもそうですけど、ツールの費用も導入も結構時間がかかってしまうのだな、さらにはいろいろな人をアサインしなくてはいけないので。
特に、最初の事業発足当初に、そんな大量な人をアサインできるわけもないですよね。それであれば、一気通貫でできる人をつくってその人を育てるほうが、費用対効果は確実にいいなと思ってたので、HubSpotと戸栗さんを結構セットで考えさせてもらっていたという感じです。
戸栗:ありがとうございます。そうですね。悲しい現実として、ツールがばらばらになっている理由のひとつに、こっちのツールを使いたいから、という上の方の意向があって、現場の方があれこれ使わざるを得ないケースってすごく多くて。
インバウンドマーケティングを進めるためにコンテンツ制作で手を動かすのは何よりも重要で、無数のツールを使いこなすための学習時間や切り替える時間は、本当に意味がないのですよね。
中村さんからすると、本当にお客様と向き合ってコンテンツを作って、マーケティングをする、という意味でいうと、オールインワンのほうが、当たり前ですけども、理想かなっていうとこですかね。
中村:そうでしたね。もちろん他のサービスいろいろ見ましたけどね。そういう意味で一番はHubSpotだったかなと思います。
マーケティングのチームが、例えば30人とか40人とかになったら、その場所の専門家が在籍しているのが普通だと思います。そうしたら、ツールを局所的に最適化するためにばらばらにして、より単機能だけども、すごいハイグレードなものを使うとかはありだと思います。ただ、そのフェーズになれば、という感じですよね。
戸栗:ありがとうございます。では、次のフェーズの話に移りたいと思います。
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