株式会社OKAN 支援事例フェーズ3:再現性を持ったTOFU最大化を確認し、一旦休止。運用効率の最大化に注力

支援事例 株式会社OKAN 株式会社OKAN 支援事例フェーズ3:再現性を持ったTOFU最大化を確認し、一旦休止。運用効率の最大化に注力
記事概要:質の高いコンテンツを制作する体制構築、公開が可能になり、本格的なナーチャリングを始めようとするタイミングで、大幅に上がり始めた運用コストを効率化することが決定。一方で、社内体制の変更があり、上昇していた数字の停滞を選択し、運用効率を直すことを優先的に取り組みこととなった。
HubSpot移行により運用効率
4-5 倍へ改善
A/B施策テストの実装時間
15

戸栗:このタイミングで今村さん、阪田さんが退職されるという感じになりましたね。数字はぐわーーーっと上がっている、さらに加速するためにツール移行をする、という絶好のタイミングで大幅に体制が変わりました(笑)。結果、その移行を三浦さんが全部やらないといけなくなってしまいました。

責任者の方や担当の方が転職などで離れていく。これは本当にリアルで企業運営であるあるだと思うんです。この事例を読む方たちも、そういうの経験してきた方もいるでしょうし、これから経験する方もいらっしゃると思うのです。

そんな大きな変化で、三浦さんの業務内容が一変したと思います。オウンドメディアを今までやってましたっていうところから、どういったところに三浦さんの割く時間がシフトしていったかっていうのを少し教えてもらえますでしょうか。

三浦さん:こういうことになる前までは、前述した通り、おかんの給湯室とeBookで、まずは事業につながるトラフィックとリード数を取っていくっていうような動きをしていました。

それをどう効率的に上げていくかみたいな部分で、マーケティングオートメーション(MA)のほうには私はあまりタッチせずに、コンテンツっていう部分に注力し続けていました。

本当にがらりと、ずっとPardotとHubSpotを見続ける日々が始まりました(笑)。

がらりと変わる前の業務配分は、大体6割ぐらいがおかんの給湯室。2割ぐらいが他のマーケの施策のサポート、残り1割が雑務みたいな部分でした。

これらが逆になって、6割がHubSpotとPardotの入れ替え業務、3割がメディア、1割が雑務。圧倒的に全くなかった業務がいきなり一番トップバッターに来たっていう形になりました。

戸栗:結構な地殻変動ですよね。他の企業の担当者の方からも声を頂くのですが……私(戸栗)と仕事をしていたので会社は辞めませんでした……っていう方がちらほらいらっしゃって。

弊社(私)と業務をしていると、していることの方向性が見えたりとかするらしく。また、こういうことやると数字が上がる、みたいなのが見えやすいらしく。結果的に、私(戸栗)とやっていたので……みたいなありがたい声を(笑)。

仮に、数字にも出てません、やることが突然大きく変わりましたっていったら、「本当に勘弁して」となるのが普通の心境だとと思うんですけども。このタイミングでそういう感情は三浦さんにありましたか?

株式会社OKANの三浦さんと株式会社LEAPT戸栗とのやり取り

(slackでのやり取り)

三浦さん:全くなかったです。

でも、コンサルの方が入っていただくってなると、私、コンサル怖いっていうイメージがあったのですが……。コンサル=すごい。これやって、これやってみたいな形で、自分の考えが全く受け入れられないまま、ただの活動部隊みたいな形になってしまうんじゃないかって、「ひええ」みたいな形で思ってたんですけど。

そこに関しては、御社は現状、その企業に合ったコミュニケーションだったりとか、その企業に合ったものとして何をすべきかだったりとか、あと、こういうことをやれるっていう提案はしてくださるんですけど、優先度は社内で決められたなと思っています。

その中で、戸栗さんのご提案とかは今じゃないんですってお断りした部分もあったりとか、ここはやれるけど、ここはやれないんですっていうコミュニケーションがあったと思うんです。

なので、そこは社内マターでやれたりしたので、そういった部分の食い違いがなかったので、やりやすかったなっていう部分があります。

あと、もうひとつ、戸栗さんが入ってくださる前から、ずーっと、もやもやが強くて。それこそSEO支援業者さんから進め方の提示をされたけど、なんか違う気がするとか。

おかんの給湯室の新しい方向性を模索しながら、こっちかも……、みたいな、ずっと喉の奥につっかえる何かがあったのですが、それは自分の経験不足だったりとかして、解がずっと見つからなかったっていう部分があったんですね。

なのですけど、戸栗さんが入ってくださったことで、喉のつまりが取れたというか。そうそう、みたいな。解っていたわけじゃないんですけど、だから、もやもやしてたんだとか、数字につながんなかったんだとか。謎解きをしてくれたっていうので。

私のキャリアは、そもそもマーケターでもSEOの分野でもなくて、ウェブメディアをちょっとかじってた感じでした。自分で、一から模索しながら進めていたので。

そういった意味で、指針となる人がずっといなかったので、継ぎはぎで自分の知識を入れていって、その中で何とかやっていました。それを戸栗さんがこうだよって、きれいに整理してくれたっていうので、感動がありました。「ああ、それ」っていうので。

戸栗:ありがとうございます。これもポイントかなと思っていて。オウンドメディアをする時に、人の採用どうすべきでしょう? みたいな話は結構、相談を受けます。

私の中の感覚としては、SEOの知識は、ほぼ必要ないと思っています。何よりも徹底的に理解するべきは、お客様のことだったりとか、あとは基本的な戦い方のルールみたいなものぐらいしか必要ないなと思っています。

それはなぜかって言うと、そもそもオウンドメディアをやるときに、(ソーシャルメディアではなく)検索とかを考えたときに、Google自身がそういうふうに言ってるんですよね。

検索している人たちに対しての価値のあるコンテンツを届けるように、作るようにしてくださいって言ってるので。SEOは基本を押さえれば過剰に必要はなくて、お客様に対する理解に対してPDCAを回す、トライ アンド エラーをするっていうところが、すごくポイントだと思います。

また、三浦さんのコンピテンシーとして、すごくガッツを感じていました。トライ アンド エラーのスピードも速かったと思いますし。

あとは、仕事をハキハキ進める感じの方で。元気ももちろんあって、エネルギーもすごくあるなっていうところを感じています。そういう方がいらっしゃった、三浦さんがやってくれたので、すごく成功したんだと感じています。

ですので、この導入資料を読んでる人たちは、そういう人がフィットするんだよっていうのは覚えておいてほしいかなっていうふうに思いますね。

三浦さん:ありがとうございます(笑)。確かに、SEOの知識はそこまで必要ないのは、そうだなって思います。今まで自分が身に付けてきた小手先のSEOテクニックって、あんまり使わなかったなって、今思えばって。

戸栗:使わないです。どちらかというと、数値の変化に敏感になる、とかの方が重要で。今、見えているものの中でどう気付くか、とかっていう部分がすごく大切です。なので、SEOずっとやってました、という人ほど、そっちにとらわれ過ぎて。

三浦さん:そうですね。SEOではなくて、本来、いいコンテンツって何だろうとか、そこら辺はすごく重要だなと思っていましたし。

私、実は、副業をしていて、編集ファームの中で働かせてもらっていて、BtoBのビジネス記事とかも書くんですけど、質っていうものをすごく重視していて。言葉のひとつの使い方だったりとかっていうものをすごくフィードバック、赤線とかも入れてくださる。

読者を考えるってこういうことなんだなっていうものを、そこでインストールしてもらっています。それってマーケターっていうよりも、顧客をいかに大切にするか。カスタマーエクスペリエンスをどこまで導入して、一気通貫した顧客体験をどこまで意識するかっていう部分なのかなと思います。

戸栗:そうですよね。ブログを書きます、オウンドメディアを作りますっていったときに、構成案も骨組みとなるので、すごく重要です。

あとは、記事を書いたときに、記事を読んだご本人が「自分のことを言ってくれてるのね」っていう想像がつくようにならないと刺さらないというか、当たり前といえば当たり前なんですけども。

機械的に、ただSEOコンテンツやコンテンツSEOを作ってるだけじゃ、そんなことはもちろんできないし。コンテンツに魂を込めるじゃないですけども、そういう感じでやってほしいなっていうのは感じるところかなと思いますね。

三浦さん:戸栗さんと働くようになってから、顧客の声っていうものも、さらに意識するようになって。展示会に出たときに、こういう人はどういうことを考えてるんだろう。前は展示会で対応するだけみたいな部分があったりしたんですけど、より一層、意識するようになったなと思います。

そういう意味で言うと、営業に近しいマインドセットを持たないといけないんだろうなっていうのは私も感じましたし。

「このお客様、どうして我々のブースに来てくれたのかな」とか。なんで、自社のサービスに興味持ってるのかなとか。この方、1日の業務で、どういうことしてるのかな。何を気にしながら仕事してるのかっていうのが分かると、コンテンツも書きやすいですよね。作りやすいというか。そこは本当に重要だなっていうのは感じますね。

株式会社OKANの大阪展示会出店時の写真

(2021大阪EXPO展示会の絵)

戸栗:展示会に意識的に足を運ぶフィールドマーケター以外のマーケティング担当はそこまで多くない気がします。私も御社のお客さんを知りたくて大阪までの展示会まで伺いましたね(笑)

別の話になりますが、弊社とつながりがあり、同じようなペルソナで競合ではない企業さんと共同でマーケティング施策を進める、コラボでマーケティングをしませんか? のような話を、私が持ってきたりします。こういったことも他業者さんや支援会社さんはまずしないかな、と思います。そういったことをすることによって、三浦さんがいちマーケターとして、こういうことを学べるだろうなとか、こういうこと経験できるので、自分のためになるかな、みたいなものっていうのは何かありますか?

三浦さん:顧客って考えたときに、顧客の課題感が一緒な方の企業だったりとか、自社サービスにとどまらずに、どうやって施策をしているのかはすごく考えさせられますし、参考になります。

あと、BtoB企業だと、リード交換のための表面的なセミナーの、共催セミナーとかはすごく活発で、やると思うんですけども。それだけではなく、見込み客の方々にちゃんと有益な情報を提供し、興味があるサービスに着地してもらうっていう部分まで考えるときに、コラボって、すごく考え抜かないとできない。

戸栗:そうですね。ただドッキングしだだけの共催セミナーの多いこと多いこと。

三浦さん:共催セミナーだと、一見、大きいトピックに対して、勉強会みたいな感じで簡単に開催できますけど、コラボと考えると、かなり考え抜かないとやれないのかなと思っています。

ですので、そこは今までやったことがない部分だったので、ちゃんと継続して実現はなりませんでしたけど、こういう考え方というか、こういうフレームって取り入れていいんだっていうのはすごくありました。

株式会社OKANとブイキューブさんとの共催セミナー

(おかんとブイキューブの共催セミナー申し込みページ)

戸栗:とあるペルソナがいて、ひとつの企業から見ると、ひとつの側面しか見えづらいというか。同じペルソナをもつ他企業さんとコンテンツを作ると、ペルソナの違う側面が見えたりします。

実は全然違う方向やチャネルからも情報を探してたり、そういったことが見えてきたりします。真面目にすればするほどコンテンツに深みも出せるようになります。

こういう取り組みって顧客とリアルな接点を作る機会が少ないマーケターにとって、顧客理解を多角的に深めるすごく良い機会だと思うのですよね。

また、ただ単にセミナーをやるだけじゃなくて、オウンドメディアとかでコンテンツを交換したりとか、eBookの中に相手企業を登場させてあげたりとか。ペルソナの役に立つ情報であれば、お客様と信頼関係が築けますし、eBookの中に他社のことが書いてたとしても、ライバルじゃなければば全然いいかなと思います。

何といってもセミナーだと一回限りで終わりですが、デジタルアセット(資産)にすることによって何回でもプロモーションに活用することが可能ですし。

そういう「Out of the box(形にとらわれない)」なことを進めることが大切だと思います。

戸栗:これから少し今後についてお話しできればと思います。現在、オウンドメディアをHubSpotに載せ替えを行い、マーケティングオートメーションなどの機能もHubSpotにしています。ここ数ヶ月は、体制変更と三浦さんのリソース配分変更に伴う数字の停滞を経験していたフェーズでした。ここから数字を再度上げていく段階に入りました。

あとは、御社の長年の課題感として存在していた散らばってしまったドメインの問題。

先日、私が沢木さんと2回目の面談をさせて頂き、課題感として非常に大きく、インパクトの大きい箇所ということはお伝えしました。

こういった面を含めて、この次のフェーズ、おかんのマーケティング。三浦さんが知ってる範囲でいいんですけども、どういった方向で、どういったことをやってくというところをお考えなのかっていうのをちょっとだけ触れていただいて、それで終了させていただけたらと思います。

三浦さん:今後は、ナーチャリングがすごく重要になっていくと社内で認識されています。

今、自社のみならず広告費が上がり、競合も出現している中で、広告だけで刈り取るっていうのはすごく難しくなってきています。あと、ebookのダウンロードやウェビナー・セミナー、導入事例へのエンゲージメントをより多くして、いかにMQL化を促すかを重要視していて。

今までMQL獲得に対して広告をかけていたのですが、リード獲得に対しても広告費をかけなきゃねっていうのは、マーケ全体で認識がそろっているのかなとは思っています。

その中で、いろいろ組織の変更とかもある中で、どれを優先してやっていくかっていうのが今、やっている議論だったりします。

ですので、単なる足元の新規MQLの「一本釣り」的な獲得をずっとKPIに掲げられてしまうと中長期的な動きが取れなくなってくるので、その目的って最適なんだっけっていう部分を、今後引き続き、議論をしていきたいかなと思ってます。

KPIのレベル

(KPIのレベル 書籍「BtoBマーケティングの基礎知識」より)

戸栗:リードからナーチャリングをしてMQL化する、つまり、間接的なMQL獲得をしていく重要性と、その認識が高まっているということですね。

MQLの数字がマーケのKPIであるべきかどうかみたいな話は、すごく重要かなと思っていて。OKANさんのマーケのチームの状態を考えると、いわゆるリードだったりとか、MQLの数みたいなものがKPIになっていても大丈夫なのかなっていう感じのイメージを持っています。

一方で、他のお客様に対してのメッセージなんですけども、リードとかMQLを安定的に創出できる体制ができていないのにもかかわらず、リードとかMQLをKPIにするっていうのは、組織が変な方向に動いてしまうと思うので、それはやめたほうがいいのかな、と思うことがあります。

例えば、リードを供給するための行動指標を一時的なKPIにしとくとか。

ブログ記事を書けていないのにもかかわらず、トラフィックを月5万にしようとか、翌月6万にしようって無理な話で。そもそも5万とかをつくる土台ができているんですか。土台をつくるための行動指標を当面のKPIにして、ブログを週に2本、安定的に作れる状態にしましょうとか、そっちのほうが重要かなと思っていて。

これは、私のいちメッセージなんですけども、KPIは身の丈に合ったKPIじゃないと、KPIとしてワークしないで、簡単に破綻するし、担当の方は疲れて辞めちゃうし。

辞めちゃうと、またリセットされてしまって、採用から走らないといけない。マーケティングのチームがコストセンターといわれるところに、さらにまたコストがかかってくみたいな感じで、負のサイクルに入ってしまって良くないかなと思います。

KPIが合ってるかどうかとか、見直しっていうのは、その体制体制、時間とともに変わると思うので、そういうのをやっていってもらえるといいんじゃないかなっていうところです。マーケティングの担当者が疲れちゃいますからね……。

いろいろ聞かせてもらってありがとうございました。私自身、三浦さんが優秀だったから高い成果が出た面もあると思っています。

ただ、一方で、お客さん目線でオウンドメディアを運営したり、そのためにはより効率的にツールの運用をする、デザインをする、こういった姿勢の積み重ねをすることは、他のマーケティング担当者の方にもできるのでは? と思っています。そういったことを今後も積み重ねて数字を上げていただきたいですね。

三浦さん:そうですね、これからもよろしくお願いいたします!

続きの記事公開予定は現在未定です。弊社の支援サービスは、抜本的な課題解決を目指し内製体制構築を目的をしているため中長期に及びます。そのような背景から、効果が出るまで時間かかるため、現状施策の効果が可視化され次第、次回の支援実績記事を公開する予定です。今後の実績記事にご興味をある方は是非弊社のメルマガにご登録ください。

プロフィール

株式会社OKANは、「働く人のライフスタイルを豊かにする」をミッション・ステートメントに、リテンションマネジメントカンパニーとして、人材不足が深刻である日本における企業課題と社会課題の解決に取り組み、「働きつづけられる」社会を実現することを目指しています。

新規見込み客獲得  営業効率の最大化
BtoBマーケティングの戦略立案から
実行伴奏までを徹底支援