株式会社OKAN 支援事例フェーズ1:目的(MQL創出数)達成への課題明確化と目標再設定

支援事例 株式会社OKAN 株式会社OKAN 支援事例フェーズ1:目的(MQL創出数)達成への課題明確化と目標再設定
記事概要:当初の要望はMQL獲得と、MQL創出までの流れを作ることだった。しかし、これからオウンドメディア「おかんの給湯室」を再興する必要がある社内認識と、MQL創出への流れを作るためにTOFUを正く広げるため、今一度顧客象(ペルソナとカスタマージャーニー)の再定義、自社のバリュープロポジションの言語化を行うこととなる。結果、顧客の解像度が飛躍的に上がり、かつ、どのような態度変容をしながらコンテンツを摂取するのかの理解が高まり、コンテンツ制作の精度が格段に向上。さらに、カスタマージャーニーをもとに自社のマーケティングデータの再定義を行い、数字を上げる体制を確立することとなった。
ペルソナ作成数
3
カスタマージャーニー作成
3
最大トラフィック
30 万へ

戸栗:そのタイミングで、弊社が入らせていただいて。最初に行ったのがペルソナ、カスタマージャーニーを細かく作るところでした。あとは、バリュープロポジションや、カスタマージャーニーをマーケティングデータの定義に落とし込むところをしていきました。

このようなことを、弊社はどのお客さんに対しても必ず行います。その際に、御社が作られていた競合との差別ポイントなどの、坂田さんが細かく資料をが作られてたのは見せていただきました。

それら資料にはなかったと記憶していますが、それまでペルソナとか、カスタマージャーニー、データ定義というものは、オウンドメディアを作る上で準備されていたたのでしょうか。

株式会社OKANのこれまでのペルソナ

株式会社OKANのこれまでのカスタマージャーニー

(元々のカスタマージャーニーの図)

三浦さん:カスタマージャーニーは作っていました。なのですが、戸栗さんとカスタマージャーニーを作り終わり、元々あったカスタマジャーニーと比較すると、そもそも入り口の部分が違っていたなっていう印象がありまして。

入り口は働く人に対する情報っていう部分で。ペルソナがなかったので、最初の入り口部分がザクっと広くなっていて、具体的にいうと、効率的に昼寝を取るキーワードのシエスタとかでした。

戸栗:スペインとかイタリアで日中にとるお昼寝のことですよね。

三浦さん:そうです。働く上で眠くなることは誰でもありますので、シエスタっていいよねっていう部分がありました。そこからイメージがつくと思うのですが、ペルソナがない状態でのカスタマージャーニーだった故に、ジャーニーがいろいろな状況と課題が入り乱れてしまっている状態でした。

企業の総務、労務の方が検索するワードなのか、それとも普通に働く人が検索するキーワードなのかっていうのがかなりガチャガチャな部分だらけで……。あと、ファネルの入り口がそういうシエスタ部分だったので、そこを作っても実態は潜在見込み客どころか、かなり遠くなっていた感じでした。

戸栗:そうですね。ペルソナがない故に、カスタマージャーニーが先行して作られたために、グチャグチャなカスタマージャーニー。結局、このジャーニーを辿る人って誰なんでしたっけ? という話ですよね。

三浦さん:当時はそこまで。シエスタが遠いのは分かっていたので作らないという判断をしたのですけど、違和感は何となくありつつも、「どうすればいいんだろう。」「違和感はあるが、howは分からない。」みたいな部分がずっとありました。

戸栗:なるほど。作ってみたけど、その次、どうやってつなげるのだっけ? みたいな感じのイメージですかね。

三浦さん:しかも、それ、SEOで有名な企業さんに発注して、その企業が提案してくれたトピックでした。

戸栗:(汗)

三浦さん:そちらの企業さんと一緒に作り、最終的に彼らがブラッシュアップし、これでいきましょう、みたいな感じでやったけど「え、これ? 」みたいな。

でも、そういうSEOで有名な業界の企業さまが作ってくれたから、疑いたいけど疑えない……。

戸栗:三浦さん、優しいですね。

三浦さん:うーんと思いつつも。

戸栗:そこ、BtoBマーケティングでコンテンツを外注する際に起きてしまう、致命的な課題だなと思っています。多くのマーケティング担当者が、そちらのSEO企業さんや、似た企業さんにコンテンツ制作をお願いした後の現場に入ったことがあるのですが、私からすると「これが一体何につながるんだろうか」と率直に感じることが多いです。

例えば、BtoBのよくある鉄板のコンテンツのセミナー、ウェビナー、事例などがあると思うのですが、そこまでの流れをつくるためにオウンドメディアを行っているのが、大半のオウンドメディアの存在目的だと思います。

そういった企業さんにお願いすると、そのキャンペーンの流れの一環としてのコンテンツだという思考が全くありません。ただ、トラフィックとかクエリを取るためだけにやってるメディア。

しかもコンテンツの中に、バリュープロポジションみたいなものが全く入っていない。「これ、誰に対して書いているの? 」 「私たちのお客様像が、ふんふんって納得するのかな? 」みたいコンテンツがとんでもなく多いなと思ってて。

そこは結果的にペルソナを作って、カスタマージャーニーを作って、自社のバリュープロポジションみたいなものをきちんと生かし切らないといけない。発注側もその意識を高めないといけないな、と感じます。

結果的には、一緒にさせていただいて、そこはだいぶ変わったという感じのイメージですかね。

株式会社OKANの作り直してペルソナ

(作り直したペルソナ)

株式会社OKANの作り直してペルソナのストーリー

(作り直したペルソナのストーリー)

株式会社OKANの作り直してカスタマージャーニー

(作り直したカスタマージャーニー)

三浦さん:すごく変わりました。全部、納得感がある。これがここでこうなってくんだっていうのが、一気通貫で見えたというか。

戸栗:よかった(笑)。

三浦さん:すごいすっきりしました。ペルソナって、ここにもつながるし、カスタマージャーニーって、ここにもつながって、それが記事になっていくんだっていうのが初めて見えた気がしました。

あと、他の企業さんと違うのかなっていうのが、ランダムでキーワードを出していくわけじゃなくて、キーワードとかトピックを体系的に出していって。

この固まりをピラーとして、クラスターはこういうふうにします。その後にダウンロードコンテンツにつなげないといけないから、こうして、みたいなことを結構やったと思うんですけども。

そこは先程のSEO企業さんだったりとか、過去関わりのあった周辺企業さんからは、一切聞かなかったなかった点です。

また、ビッグクエリや、クラスターキーワードという概念は当時もあったのですけども、ビッグとクラスターがあんまりつながってないっていうか。ビッグの中のクラスターで、一番いいものを作っていこうみたいな形で、ユーザー、ペルソナから逆算ではなくて、キーワードボリュームのみで優先順位をつけていたという形でした。

戸栗:逆に、これまでどのようにトピックを作っていたかのが気になります。

三浦さん:なので、並べると単発のボリュームの高いキーワードの順で作っていくみたいな部分で、ファネルが上に行けば上に行くほど、シエスタとかの関連性が低いトピックがビッグキーワードだったりになってしまい……。

なので、必然的にそれが上に来ちゃっているんですよね。すごく遠いユーザーのキーワードが優先すべき記事みたいな部分で出来上がる、という感じですよね。

でも、そうなると、単発の記事ばっかりで。なので、その記事のセッションはSEOしか考えていないので、一瞬は上がるかもしれないんですけど、トピック全体かつバリュープロポジションなどを盛り込んで作られていないので、似たものコンテンツとしてどんどん下がっていきますよね。

戸栗:そうですよね。結局そういったSEO狙いだけのコンテンツは、ビジネスにつながるトラフィックの創出や、リード創出につながらないのがほとんどなのですよね。

SEOやコンテンツ制作だけする企業を責めるわけではないのですが、ビジネス貢献しているの? と投げかけたくなることはあります。

ちなみに、このときのタイミングでのセッション数。あと、フェーズ2とかフェーズ3の話にもつながるんですけども。弊社が入る前のタイミングで、セッション数は月間どれぐらいでしたか?

株式会社OKANのオウンドメディア”おかんの給湯室”のセッション数

(2020年4月のセッション)

三浦さん:戸栗さんが入られる前ってことですよね? コロナ禍前で4.8万セッションとか、そのあたりに一気に下がってしまっていました。

戸栗:弊社が入ったあたり、5万超えてないかな、くらいでしたね。

テクニック的な話になってしまいますが、さっきおっしゃった、シエスタみたいなビッグワード。1つ、ぽんと作るじゃないですか。

そのトピックを軸に、いろんな別の組み合わせ、「シエスタ 仕方」「シエスタ 効果」とかみたいなクラスターをかみ合わせてないと、結局、トピックの中の単KWで一発すごいトラフィックを取ってたものが、(体系的に作られてないために)自社ウェブサイトで孤立した島みたいになってしまうのですよね。

そうすると、中長期的に同じような競合のコンテンツが出てきてしまうので、これが、ズズズズっと数字を下げていって、全体的なトラフィックにすごい影響を与えるみたいなことっていうのは起きる。よくやってしまうようなことだと思うんです。

また、多くのBtoBの企業さんに伝えたいのは、サービスとかに直結するようなクエリをオウンドメディアで狙うのは本当にやめたほうがよい。

社会課題があるから企業が存在していて、その課題を解決するための業務、それにつながる業務課題っていうのは一瞬で消えるものではなく、課題に焦点を当てたものコンテンツを作れば、そこのクエリっていうのは、一瞬で消滅したりとか、蒸発するみたいなことは、まず、ない。

もちろん、業務課題に関連性のないトピックのコンテンツ作りもほとんど意味はない。

そういう意味で言うと、今回、弊社が入らせて頂きまして、トピックをちゃんと出して、ペルソナに合わせたピラーとクラスターを出していったことによって、恐らく、それって防げてるなっていうのはあると思います。

あと、オウンドメディアの担当者の心理の側面からお話しすると、一般的にオウンドメディアをされている方たちって、きちんとされている方であればあるほど気持ちに余裕がなかいイメージがあります。

日々の業務で、トピック出しもしないといけないし、編集もあるし、入稿もあるし。……結果的に、取りあえず記事出さないとってなっちゃうと思うんですよね。

トピックをペルソナに対して体系的に事前に考えることで、そういう気持ちが楽になったりとか、次はこれをやればいいんだとか、これをやれば数字上がるよね、みたいのが見えてきてたんじゃないかなと思うんですね。

そういう視点から、自分の業務をしていて、そういう気持ち的な変化だったりとか、これやれば数字上がるよねとか、この順番でいけばいいかな、みたいな変化っていうのはありましたか。

株式会社OKANのオウンドメディア”おかんの給湯室”のセッション数

(その後の数字上昇の図)

※サイトリニューアルの関係でリニューアル前のデータは表示されていない

三浦さん:ありました。そこがすごく大きくて。やっていくことに対して、自分も納得感があるので、迷わず進めていけるっていうのがひとつ。これやって、これやってっていう部分で、自分の中で階段が設計されているので、すごく気持ち的にも進めやすかったです。

あと、やることがすごく多い分、自分一人だとなかなかできない部分もあったりとかして。それは、外部のライターさんであったりとか、当時、インターン生とかに手伝ってもらったんですけど。

全体像が見える分、ここを切り出そうっていうのがすごく明確になっていった。

なので、ここは私がやれないし、インターン生でも十分できるのでお願いしよう、だったりとか、今まで外部のライターさんに執筆お願いしていたんですけど、期待値みたいなのも明確になっていって。

ペルソナがあるから、これ、ペルソナから逆算すると違う言葉のほうがいいですよね、だったりとか。なので、ライターさんのフィードバックもすごく分かりやすくなったなとは思ってます。ライターさんも、これ、逆算するとちょっと違いますね、だったりとか。

今までは給湯室に関わる人に対して「弊社のサービスとは」みたいな説明から入り、大きく深くサービス理解をしてからじゃないと、書きにくかったりしました。

ですが、まず、ペルソナに合うっていう分かりやすい説明ができたので。なので、こういう記事って、総務、労務、人事の経験者のほうが書きやすかったと思いますし、一回、社会人の経験がある方ぐらいなら、ペルソナを見たら、自分の身近な誰かを想像できます。想像はつくようになったので、ライターさん自身もすごく書きやすくなったかなと思っています。

戸栗:そうなんですよね。ペルソナとかカスタマージャーニーを作りましょうって私が言う理由っていうのは、それがオウンドメディアだけではない、事例、ウェビナー、セミナー、ウェブサイトなど全てのコンテンツを作るときの設計図になるというか。

誰に向かってやってるかを明確にするっていうのがそもそもの目的なので、当たり前と言えば当たり前なのですが。逆にペルソナがないと書けないと思うし。逆に、それがない状態で、みなさんどうしているの? という感じはあるので、一緒に作らせて頂いて本当よかったかなと思います。

あと、ペルソナとカスタマージャーニーを作らせて頂いたときに、データの定義っていうのもさせていただいたと思います。これも他のベンダーさんとは全く違う点で、ペルソナとかカスタマージャーニー、それっぽく作って、パンっと作りますみたいのが多くて。

それを、その後、データとしてどういうふうに落として、その後の施策はどうするの? みたいなこともお客様に提供すべきだと思っています。

例えば、コンテンツ制作をしたら、マーケティングオートメーション(MA)やCMSやCRMをも連動させないといけないみたいな話がやって来ると思うんですけども、三浦さんもそういうことをやることになるとは、最初はあんまり思ってなかったんじゃないかなとは思うんですけど、そこに関してはいかがでしたか。

株式会社OKANのマーケティングデータの定義

(データの定義)

三浦さん:当初データ定義をしようってなったときに、当時は、まず給湯室の復興っていう部分だったので、自分の注力ポイントではなかった。それは阪田さんにお任せしていた部分もあるので、こういうこともやっていくべきなんだろうなっていう部分で。

でも、これがどうつながるんだろうっていうのは、まだ、ちゃんとシナプスがつながっていなかった、当初は。

なんですけども、ナーチャリングをやっていこうだったりとか、MAを改善していこうみたいな部分のときに、ここ、めちゃくちゃ大切じゃんと思って。

戸栗:そうなんですよ。そこが肝ですね。

三浦さん:データ定義がなくても、こういうリードの階段ってつくれると思うんですけど、そうすると、後で絶対つじつまが合わなくなってくるし。つじつまが合わなくなってから何かをやろうって、すごくスパゲティ状になるので。

戸栗:はい、気づいた時にはもう手遅れなんですよね(苦笑)。

三浦さん:かつ、既存でも取り過ぎた情報ならいいんですけど、取ってなかった情報だったりとかする……。

戸栗:どうしようもないですよね。どうしようもなくて、過去と新しいリードのギャップが激しくなって、結局、過去リードが使えない、みたいになりやすいです。

三浦さん:弊社も、すごく早めにデータ定義ができたっていうわけではないと思うんですけども、戸栗さんが入ってくださってから、阪田さんが情報取得の改善とかを進めていたので、そこはすごく強みであって。

かつ、コロナ禍で、問い合わせがこれからどんどん下がっていく中、業種研究、業種ティアを設定、そこに対して、どうやって仕掛けていくのかって考えたときに、データ定義を基に、いろいろ逆算して考えられたっていうのはすごく強かったなと思います。

株式会社OKANのマーケティングデータの流れモデル

(おかんのデータフローの図)

戸栗:ありがとうございます。ここはコアな部分なんですけど、ペルソナとかを作る理由っていうのは、こういう人たちに対して、こういう情報をこのタイミングで届けましょうっていったときに、結局、それってツールに落とし込まないとしょうがなくて。

ツールに落とし込むときに、落とし込む方法っていうのは、データの定義になるんです。これが一般的には、ほとんどみなさん考えられていない。これはマーケティングのマネージャーレベルだったりとか、CMOって呼ばれるような人たちでも知らなかったりとか、できなかったりとかするところはありますね。

そこはすぐに、私がこうしたほうがいいですよってお伝えしたことに対して、取り組んでくれたっていうのはすごくありがたかったので。大体、数カ月かかったりとか、動いてくれないっていうケースが多いんですけれども。

信頼してもらって動いてくださったので、すごくありがたかったかなと思いますし、重要ポイントだということをすぐに察知してくださったのが、とにかくありがたかったです。それが次のフェーズにもつながっていく感じになったのかなとは思っております。

続き「フェーズ2」の記事はこちらから。

プロフィール

株式会社OKANは、「働く人のライフスタイルを豊かにする」をミッション・ステートメントに、リテンションマネジメントカンパニーとして、人材不足が深刻である日本における企業課題と社会課題の解決に取り組み、「働きつづけられる」社会を実現することを目指しています。

新規見込み客獲得  営業効率の最大化
BtoBマーケティングの戦略立案から
実行伴奏までを徹底支援